X-Pro2の高感度撮影の実力やいかに。江ノ島水族館・水槽編

光の少ない水族館はカメラの性能が問われる場所。

以前より、水族館で思うような写真を撮るのは難しいと思っていたんだけど、今回もいろいろ学びました。主に

  1. 光が少ない
  2. 被写体が動く
  3. 水を通して光が届く

といった理由で、かなり気を遣わないとピンボケや色の印象が異なる写真を量産してしまうことに。対策としては、被写体に合わせてブレないSSを設定すること、そのために必要なISO感度を適切に(画質との兼ね合いを考えて)設定すること、ホワイトバランスもオート任せにしないということかな。あとはカメラやレンズの性能も大事。 しっかりとした写真を撮るには、水槽の状況や被写体によって設定を細かくコントロールする撮る側の技術と、明るいレンズ、高感度の性能、AF性能といったカメラ側の基本性能がより求められる。X-Pro2高性能なので、単純に僕の技術が足らないということなのですけども。

X-Pro2のISO設定について

X-Pro2のISO基本設定はシャッターボタン横のダイヤルで設定。シャッタースピードと共通で、サイド部分を持ち上げてから回すとISOダイヤルだけが回転します。下の写真の中央あたり「L/A/H」の見える窓のところ。

X-Pro2 ISOダイアル

ちなみに A:AUTO L:LOW ISO100 H:HIGH ISO25600 or ISO51200 ※LとHは拡張感度 となっていて、AUTOはMENU>撮影設定>感度>AUTO設定>AUTO1〜3の3種類の範囲で設定します。その1〜3までは「基準ISO感度」「上限ISO感度」「低速シャッター限界」の項目を任意に設定できる。仮にAUTO3を選択していて、「基準ISO感度:200」「上限ISO感度:3200」「低速シャッター限界:1/60」と設定していると、ダイヤルがAの場合これが反映される。

X-Pro2 ISO設定

 

AFの食いつきはどう?

今回は魚が動くし、あまり速いSSを設定できないということで、主にAFはターゲットを追従する「C」モード、AFフレームを「ゾーン」の狭めにして、メインに撮ろうとしている魚を「やや」追うという考えで撮影。基本暗いために、絞りはあまりコントロールできないので、開けきるか、やや絞るかくらい。そんな設定でX-Pro2のAFはというと、遅いとは思わないけど(もちろんもっと速いのはいくらでもある)、食いついたら離さないってほど優れてもいません。上記の感じでも簡単に魚からピントは外れます。FUJIFILM Xストーリー「X­-Pro2 AFは速くなったのか?」によれば、X-Pro2の開発では、コントラストAFの性能アップにシステム全体で取り組んだとあるんだけど、その恩恵にあずかれるレンズが現状では XF16-­55mm XF50-­140mm XF90mm XF35mmF2 XF100­-400mm の5本しかないとか。これらのレンズであればスピードだけでなく、追従性も向上するのかもしれない。動き物を撮りたい人が使う長めのレンズはこの中に入っていると思うのですが、僕は持っていないので、今後手にした時に改めて確認してみよう。


実際に撮影した写真

●フィルムシミュレーション:スタンダード(PROVIA)/グレイン・エフェクトOFF

江ノ島水族館の写真2

FUJIFILM X-Pro2+XF56mm F1.2R / f2.8 / SS:1/150 / ISO3200 / WB:AUTO

まずは上記設定で。目立つようなノイズもなく、個人的にはISO3200でも全然いける感じ。写真的にはもう少しシャープさが欲しいけど、それには絞った上にSSを上げないといけなくなるので、必然的にもっと高いISO設定になる。

 

江ノ島水族館の写真3

FUJIFILM X-Pro2+XF56mm F1.2R / f2.8 / SS:1/85 / ISO3200 / WB:AUTO / AF:C

フラットな部分に粒状感が少しあるけど、こういった処理だと気にならないね。これがFUJIFILMのノイズ処理の方向性のよう。

 

江ノ島水族館の写真04

FUJIFILM X-Pro2+XF56mm F1.2R / f2.8 / SS:1/70 / ISO3200 / WB:AUTO / AF:C

こういうのも1枚。

 

江ノ島水族館の写真05

FUJIFILM X-Pro2+XF56mm F1.2R / f2.8 / SS:1/5 / ISO4000 / WB:AUTO / AF:C

これはちょっとSSが遅過ぎ。気付かずそのまま撮っちゃってる。カニもゆっくりとは動いているので微妙にブレてるし、もちろん手ブレもしてるはず。でも、ISO4000でも気になるノイズなどはなく、背景もしっかり「黒」として出ている。

 

江ノ島水族館の写真06

FUJIFILM X-Pro2+XF23mm F1.4R / f2.2 / SS:1/180 / ISO4000 / WB:水中 / AF:C

ここでようやく気づいてWBを「水中」の設定に変更。本来は水中に潜った場合の設定なのだけど、見た目カラーとかなり近くなりました。あと、深海魚などフラッシュ禁止の水槽もあったのでAF補助光もOFFに。拡大してみると、画質の劣化は少し見られるけど、WEBで使う分にはまだまだ問題ないね。

 

江ノ島水族館の写真07

FUJIFILM X-Pro2+XF23mm F1.4R / f1.4 / SS:1/90 / ISO4000 / WB:水中 / AF:C

えのすいといえばクラゲ。

 

江ノ島水族館の写真08

FUJIFILM X-Pro2+XF23mm F1.4R / f1.4 / SS:1/90 / ISO4000 / WB:水中 / AF:C

クラゲって本当に幻想的。

 

江ノ島水族館の写真09

FUJIFILM X-Pro2+XF23mm F1.4R / f1.4 / SS:1/400 / ISO4000 / WB:水中 / AF:C

謎の宇宙生命体地球侵略開始?

 

江ノ島水族館の写真11

FUJIFILM X-Pro2+XF23mm F1.4R / f5.6 / SS:1/110 / ISO1600 / WB:水中 / AF:C

ここは明るい水槽だったので、ISOを1600まで下げてf5.6まで絞る。水があって厚いアクリル板があって魚は動いているしなので端から端までシャープにっていうのは無理があると思うんだけど、レンズと垂直になる中央付近はよく解像してると思う。

 

江ノ島水族館の写真12

FUJIFILM X-Pro2+XF23mm F1.4R / f2 / SS:1/350 / ISO6400 / WB:水中 / AF:C

これが今回で一番感度が高いISO6400設定。用途にもるけど全然いけますね。拡大すると、やはり粒状感は出てるんだけど、ざらついたノイズとかではないのであまり気にならない。一昔前のAPS-C一眼だとISO1600以上はちょっとなぁって感じだったのにね。撮像素子の基本スペックと、画像エンジンのチューニング技術が格段に上がっているのを実感。

 

今回の水槽編はざっとこんな感じです。あまり解像度を上げすぎて劣化するのも…なんてちょっとビビってしまったので、今回はISO6400までにしかトライしなかったけど、せっかく12800までダイヤルに目もりが付いているので、もっと上まで試せば良かった。また近々別のシチュエーションでトライします。

個人的に気になったのがISOダイヤル関連。水族館のように暗い中で使おうとすると、暗くてダイヤルが見えない。(撮影状態で)ファインダーか、もしくは背面モニター見ながらISOダイヤル回せばファインダー情報として表示はできるけど、それだと余計に面倒なので普通の一眼レフみたいにクイックメニュー選択か、ファンクションボタンなどで選択してダイヤル回すって方がシンプルですね。明るいところだとそう頻繁に変更しないし、積極的に使いたい暗い所では(ダイヤルの数字が)見えないという矛盾。ISOダイヤルにパーツを沢山使ってお金もかけてるみたいだけど、個人的にはギミック感ありかも。ダイヤルを生かすためにメニューで任意感度を設定できない(※1)んだろうけど、これはできるようにして欲しいなぁ。

それではまた次回!

 

※1 本ページ最初にもありますが、AUTO設定の場合の基本感度と上限感度は設定できます。ただ、任意の「1600」「3200」などという感度はダイヤルでしかできないと思われます。

 

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