X-Pro2のファインダーはどう使うべきか?

2種のファインダーと液晶モニターの使い分けを整理しよう。

X-Pro2はOVF、EVF、LCDの3種類を使って撮影することができる。大きく分けるとファインダーを覗くのか背面液晶モニターで撮るか。さらにファインダーでは光学式か電子式かを選択できる。同様に各種メニューも液晶モニターとファインダーの両方で見ることができるので、この使い分けがなかなか難しいというか、混乱しがちだ。これらの基本的な説明と、どういった使い方が良いのかを考えていこう。僕もまだ使いきれてはいないので、使い方指南ではなく、現状感じていることを整理していく感じで。

 

光学or電子式を切り換えられるハイブリッドビューファインダー

ファインダー切換レバー

ファインダー切り換えははボディ前面右上レバーで行う。ファインダーを覗きながら中指でレバーを引き上げるとOVFとEVFの切り換え、押し上げるとOVFとAFエリアが拡大表示されるERFの切り換えができる。

 

光学式ファインダー(OVF)

まず、ファインダー。光学式の場合はレンズ越しに見ることになるのでスッキリと見やすく、とても広く見渡すことができる。被写体がボケることがないので表情などの確認もしやすい。装着するレンズの画角に合わせてブライトフレームが表示されるので撮影画角の外側まで確認しながらフレーミング可能。ただし、望遠側になるほど画角が狭くなるので、ファインダービューに対してその範囲は小さくなっていく。そういった場合のためにブライトフレームの倍率はファインダー切換レバーをしばらく引き上げることで2段階に変更できるので、望遠と広角で使い分けよう。フォーカスの確認には右下に小さくAFエリアを表示するERFモードを選択できる。また、大口径や長めのレンズの場合、レンズやフードがフレームに映り込むために右下側が見えなくなってしまうことと、ファインダーとレンズが別々の位置にあるために視差が発生し、見た目と実際の撮影結果とが異なることがあるのは注意しておきたい。

X-Pro2の光学ファインダー23mm使用時のイメージ

ファインダービューよりやや内側にブライトフレーム。レンズによって映り込みが発生。

 

X-Pro2の光学ファインダー56mm使用時のイメージ

ファインダービューに対してかなりブライトフレームの範囲が狭くなる。ただし、これよりも1.5倍程度に表示倍率を変更することができる。

※上記の画像は大まかなイメージです。比率など正確に再現したものではありません。

 

電子式ファインダー(EVF)

電子式ファインダーは視野率100%のため正確なフレーミングが可能。また、ピント、被写界深度、明るさ、ホワイトバランスをライブビューで確認しながら撮影でき、撮影結果のイメージがつかみながら絵作りができる。もちろん、フィルムシミュレーションも反映される。モノクロモードで撮る場合はモノクロで表示される。ただ、動体をカメラを振りながら連写で追うような場合は、タイムラグを感じることもあるし画像がコマ送りになるので、少しストレスがあるかもしれない。当然ながら光学式よりも電池の消費量は多いと思われる。

 

OVFとEVFの使い分けはどうする?

個人的には、所有しているXF23mmとXF56mmの両方とも右隅にレンズが映り込んで見えなくなるのはかなり気になるし、望遠側のレンズの場合、ブライトフレームエリアがかなり小さくなるので基本はEVFになる。撮影結果もイメージしやすいしね。ただし、広角側の単焦点レンズ、XF18mmF2 RやXF27mmF2.8、XF35mmF2 R WRなどは映り込みなどなく使えるのかもしれない。そうなれば積極的にOVFを使いたくなる。

こういったことを考えると、見え方や用途の他に、どのレンズを使うかということもファインダーを選ぶ要素になりそう。今の自分の環境を考えるとEVFで撮りながら、細かいフレーミングよりもタイムラグが気になる動き物の場合にOVFを使う。あとは必要に応じてOVFでも確認しながらEVFで撮るという感じかな。先に挙げた短めのレンズを使うのであればOVFで撮りながらEVFで確認と逆転するかもしれない。

実際試してみると、連写時はOVFの方が画面がブラックアウトすることもないので見やすい。細かい構図やピントは追いながら確認する訳ではないので、個人的にはEVFよりもOVFを選ぶ。ただし、これも使うレンズによる。長い望遠ズームなら映り込みの問題からEVFしか選べない。そもそも、レンジファインダーのカメラの用途とは少々異なるはずだしね。だからFUJIFILMのレンズカタログなどでも長めのレンズはXT-1との組み合わせになってる。

OVFが最も快適なのは、フィルムシミュレーションなどの撮影結果が把握できている上で、映り込みの無い、または少ない広角〜標準クラスの短いレンズ(広角側の単焦点レンズ、XF18mmF2 RやXF27mmF2.8、XF35mmF2 R WRなど)を使い、ある程度絞ってサクサク撮るというシチュエーションじゃないだろうか。この感じなら絶対OVFが快適だ。絞りを開けていく時だけボケ具合をEVFでちょい確認しながらね。そう考えると、スナップ撮影においてはXF35mmのF1.4じゃなくてF2をあえてチョイスするってのはかなり理にかなっている。F2の方が防水なのもガシガシ使う用ってことなのかな?

 

ビューファインダーと背面液晶モニターとの切り換え

VIEW MODEボタン

ボタンを押すごとにアイセンサー→VIEWFINDER ONLY→LCD ONLY→VEWFINDER ONLY+アイセンサーの順に切り換わる。

 

X-Pro2のアイセンサー

ここのセンサーでファインダーを覗いているかどうかを感知する。

 

ビューファインダーと背面液晶モニターの切り換えはファインダー横のVIEW MODEボタンで設定するが、これが結構分かりにくい。普通の一眼レフ(DSLR)であれば、ファインダーは撮るためのものだが、X-Pro2の場合(他機種は知らない)はファインダーでもメニュー表示ができるのでファインダーを覗きながら設定もできる。つまり、ファインダーでも背面液晶モニターでも撮れるし設定もできる。その表示の切り換えパターンは以下の4つ。

1.[アイセンサー]
ファインダー横のセンサーで、ファインダーと背面液晶の表示が自動的に切り換わる。

2.[VIEWFINDER ONLY]
ファインダーにのみ表示される。

3.[LCD ONLY]
液晶モニターにのみ表示される。

4.[VIEWFINDER ONLY+アイセンサー]
ファインダーに目を近づけた時にファインダーにのみ表示される。

3の「LCD ONLY」は撮影もメニュー設定も背面液晶画面のみで行うので、撮影をファインダーで行う場合は使わない。逆にファインダーで撮影をする場合は3以外の設定となる。そこでポイントとなるのはメニュー表示をどちらで行うか。メニュー設定を背面液晶モニターで行いたい場合は必然的に1の「アイセンサー」を選択。

2、4はどちらもファインダーのみに表示されるが、4はファインダーから目を離せばOFFになるから、バッテリーのことを考えると2はあまり使い道がないんじゃないかな。頻繁にファインダーから視線を外す場合に使うんだろうか?

実際使ってみると、僕の場合はファインダーを覗きながらメニュー設定を変更することにメリットをあまり感じない。カメラ覗きながら色々やってるのって、はたから見てもちょっと違和感あるよね。人が沢山いる所やストリートだと迷惑になる場合もあるし、危ない場面もあるかもしれない。使うのはよほど液晶が見えにくい場合くらいかな。設定は普通に背面液晶で行いたいので、僕は1と3だけあればいい。なので、通常の撮影時は「アイセンサー」、液晶モニターで撮影する場合(いわゆるLive View)は「LCD ONLY」かな。ただ、アイセンサーは撮影後にファインダーから目を離すと今度は自動的に背面液晶に表示され省電力設定までの時間(2分or5分)大きいLCDがつきっぱなしになるから、僕はこまめに電源自体をOFFにしてる(※ただし、ON/OFFが余計に負担になる可能性もある)。アイセンサーいるかな?ファイダーから目を離した後につきっぱなしになるのが無駄じゃない?むしろ、ファインダーを覗いた時だけEVF ON、離すとOFF、LCDはメニューボタンを押した時だけ表示って設定が欲しい。ファインダーから目を外す度にLCDが自動でつかなくていいんだよね。毎度メニューはみないから。

 

おまけ:撮影画像表示設定について

これまで、コンデジと普通の一眼レフ(DSLR)を使ってきた僕にとって、撮影後の画像確認は背面液晶で見るってのが常識だったんだけど、X-Pro2では
セットアップ>表示設定>撮影画像表示>で

連続/1.5秒/0.5秒/OFF

しかない。1.5秒、0.5秒って短過ぎない?と思いながらとりあえず1.5秒に設定。ファインダー覗いて撮影して、確認で液晶モニター見ると一瞬で消えてしまう。しょうがないから再生ボタン押して見る。こりゃダメだと思ってOFFに設定して毎度再生ボタンで見る。そうすると、表示を切るのを忘れてしまって無駄にバッテリーを消費・・・。なんかイケてないけどどういうことかな?0.5秒なんて意味あんの?と。で、しばらく使っていて分かったんですけど、撮影後そのままファインダー内で確認するってことなんだよねこれって。そういう常識が無かった…。スナップ撮影的には確認はいろいろしたいのだけど、カメラを構えてる時間はできるだけ少なくしたいので、ファインダーでは確認したくない。できるだけ大きい画面で見たいのもあるし。なので、もうちょっと長い2秒、4秒、8秒くらいの設定も追加してもらって、ファインダーで撮る、液晶モニターで確認する、指定秒で自動的に消えるっていうような一般的な流れもできるようにぜひファームアップでお願いしたいもんです。

自分でも今回の内容は整理がついていないところがあったので、書いていてだいぶまとまりました。また違う使い方や便利なシチュエーションもあるかもしれないけど、その時はまた改めて記事にします。

それでは、また次回!

 

<追記 2017.06.16>

現在はファームウェアもVer.3.10まで更新され、いろいろ使い易くなっています。VIEW MODEに「アイセンサー+LCD撮影画像表示」が追加され、上記の件にも対応済み。Ver.2.0の時点で自動電源OFFの設定時間に15秒/30秒/1分が追加、消費電力設定にもオートパワーセーブが追加されているので、電池セーブもしやすくなっている。さらにAFや感度設定等細かい所がかなり改善されているので、気になる方は「ファームウェア変更履歴」にて確認されたい。ファームウェアのバージョンアップで積極的に機能を改善してくれるのがFUJIFILMのいい所。今後もぜひ改善を進めていただきたい!